【円】
元旦の能登半島で最大震度7の大規模震災が発生しました。国内マーケットは休場、海外投資家が1月2日から徐々に取引を再開するタイミングですが、1月2日のアジア時間のドル/円相場は目立った動きを見せていません。
元旦の能登半島で最大震度7の大規模震災が発生しました。国内マーケットは休場、海外投資家が1月2日から徐々に取引を再開するタイミングですが、1月2日のアジア時間のドル/円相場は目立った動きを見せていません。
能登半島で震度7、石川の死者48人に 輪島で大規模火災
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE011M10R00C24A1000000/
2011年の東日本大震災が発生した直後は、急激な円高圧力が発生しました。背景としては、リパトリの「思惑」が指摘されています。
2011年の東日本大震災が発生した直後は、急激な円高圧力が発生しました。背景としては、リパトリの「思惑」が指摘されています。
大震災でなぜ円高?
https://www.jiji.com/jc/v2?id=20110311earthquake_45
つまり、震災を受けての保険会社が支払いに備えて、海外資産を円に換えるとの見方です。企業が国内事業の被災を受けて、海外資産を国内に還流させるとの思惑なども指摘されています。
しかし、地齋にはリパトリの発生は確認できず、専ら思惑先行の値動きでした。つまり、投機筋がリパトリの大枠を手掛りに円買いを仕掛けた訳です。
さて今回ですが、最近の円高・ドル安の流れを加速させるテーマと評価されると、一気に円高が進む可能性もあります。ただし、2011年の経験でこうした思惑は根拠の乏しいものであることが確認されています。また、近年はウクライナ戦争やイスラエル=ハマス戦争で有事の円買いも見られませんでした。
1月4日の東京市場の大発会で株価急落といった動きが見られた際に、思惑的な円買いが瞬間的に膨らむリスクを想定しておく程度で十分でしょう。
そして、現在の地合だと日本銀行の金融政策への影響にも注目する必要があります。日本銀行は2024年にマイナス金利解除に踏み切るとみられていましたが、能登地震の影響で日本経済(特に北陸経済)が大きなダメージを受けると、マイナス金利を解除できくなくなる可能性が浮上します。
本来だと春闘の賃上げ状況を確認し、そこで賃金上昇を伴ったインフレが確認できたとの評価からマイナス金利是正の流れが想定されていましたが、その決断が今回の大地震で難しくなったのは間違いないでしょう。
日銀当局者などから大地震の影響に対して踏み込んだ発言が聞かれたりすると、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始でもドル/円相場が十分に下げないシナリオもあるでしょう。まだ判断材料が乏しいテーマですが、2024年は年初の取引開始の前に大きな不確実性を抱えることになりました。
被災された方、お見舞い申し上げます。
【お知らせ】
大阪取引所のウェビナーの動画がYoututeで公開されました。12/16(土)開催分です。金、原油、トウモロコシ相場について、初心者向けの内容で構成しています。よろしければご覧ください。
コモディティ ・ マーケットの分析と2024年の展望
https://www.youtube.com/watch?v=auB2uLG2yDM
つまり、震災を受けての保険会社が支払いに備えて、海外資産を円に換えるとの見方です。企業が国内事業の被災を受けて、海外資産を国内に還流させるとの思惑なども指摘されています。
しかし、地齋にはリパトリの発生は確認できず、専ら思惑先行の値動きでした。つまり、投機筋がリパトリの大枠を手掛りに円買いを仕掛けた訳です。
さて今回ですが、最近の円高・ドル安の流れを加速させるテーマと評価されると、一気に円高が進む可能性もあります。ただし、2011年の経験でこうした思惑は根拠の乏しいものであることが確認されています。また、近年はウクライナ戦争やイスラエル=ハマス戦争で有事の円買いも見られませんでした。
1月4日の東京市場の大発会で株価急落といった動きが見られた際に、思惑的な円買いが瞬間的に膨らむリスクを想定しておく程度で十分でしょう。
そして、現在の地合だと日本銀行の金融政策への影響にも注目する必要があります。日本銀行は2024年にマイナス金利解除に踏み切るとみられていましたが、能登地震の影響で日本経済(特に北陸経済)が大きなダメージを受けると、マイナス金利を解除できくなくなる可能性が浮上します。
本来だと春闘の賃上げ状況を確認し、そこで賃金上昇を伴ったインフレが確認できたとの評価からマイナス金利是正の流れが想定されていましたが、その決断が今回の大地震で難しくなったのは間違いないでしょう。
日銀当局者などから大地震の影響に対して踏み込んだ発言が聞かれたりすると、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始でもドル/円相場が十分に下げないシナリオもあるでしょう。まだ判断材料が乏しいテーマですが、2024年は年初の取引開始の前に大きな不確実性を抱えることになりました。
被災された方、お見舞い申し上げます。
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