【原油】
サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは、2月のアジア地区向け公式販売価格(OSP)を大きく引き下げました。中東産原油指標価格に対して、1月は3.50ドルのプレミアムでしたが、2月は1.50ドルのプレミアムになります。

サウジ、アジア向け原油販売価格を大幅引き下げ-需給軟化を反映か

無題

昨年は原油価格の乱高下に関係なく着実にOSPを引き上げていましたが、1月、そして2月と一気にプレミアムを解消しています。年初から石油輸出国機構(OPEC)プラスは協調減産体制を強化しますが、サウジアラビアは自国産原油に対する需要は12月よりも1月、そして1月よりも2月に更に悪化するとみている模様です。

1ヵ月の引き下げ幅としても2.00ドルは大きく、原油市場のマインド悪化は避けられないでしょう。需給要因では戻り売り優勢との見通しを支持する動きと言えます。

一方、リビアではSharara油田で不可抗力状況が発動されました。

シャララ油田で不可抗力条項を発動=リビア国営石油

年初から地元住民の抗議デモで生産が不安定化していましたが(参考:リビアの油田封鎖、長期化のリスクは低そう)、本格的な供給障害に発展したことが確認できます。地元住民の抗議デモは短期間で終息する可能性が高く、リビア産の供給不安で上昇した局面は戻り売り対応が基本になりますが、暫くは注意が必要な状況になります。


【お知らせ】
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