【原油】
アフリカの産油国、アンゴラが石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を表明しました。
Yahoo!ニュースのこの記事には、Expertコメントを書きました。
【銅】
2023年の銅相場は、値崩れこそ起こしませんでしたが、上値の重さが目立ちました。脱炭素社会の重要な貴金属として注目度は高かったものの、中国経済が予想外の停滞を迫れたこともあり、価格は総じて年前半にピークを付け、その後は上値の重さが目立ちました。

LME銅相場(3ヵ月物)
日本経済新聞に資源大手BHPグループの最高商務責任者(CCO)パント氏のインタビュー記事が掲載されましたが、銅相場の現状と将来を考える上で参考になります。
アフリカの産油国、アンゴラが石油輸出国機構(OPEC)からの脱退を表明しました。
アンゴラ、OPEC脱退-原油生産枠に反発し16年の連盟見限る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-21/S60O71DWLU6800
アゼベド鉱物資源・石油相は、OPEC加盟の利益がないと指摘しています。OPECの協調減産体制に対してアンゴラは不満を強めており、生産協定に縛られないフリーハンドを確保したことになります。
アンゴラに大規模な増産能力はないとみられるため、短期的な需給環境に影響はほとんどないでしょう。将来的にアンゴラが本当に増産能力を有するのかは、今後の投資状況に依存します。
それより問題なのは、アンゴラの脱退をきっかけにOPECに亀裂が走ってしまうことでしょう。幾ら減産しても原油価格が上昇しないことで、減産の「コスト」と「利益」のバランスが取れているのか疑問視される状況になっています。第二、第三のアンゴラが出てくると、OPECはその歴史的役割を終えてしまう可能性もあります。
アゼベド鉱物資源・石油相は、OPEC加盟の利益がないと指摘しています。OPECの協調減産体制に対してアンゴラは不満を強めており、生産協定に縛られないフリーハンドを確保したことになります。
Several OPEC+ countries announce additional voluntary cuts to the total of 2.2 million barrels per day
36th OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting
11月30日の会合で協調減産の強化ではなく自主減産に留まったことで、OPEC内に不協和音が発生していることは躊躇されていましたが、決め手になったのはアンゴラの2024年の生産枠引き下げでしょう。第三者機関のアセスメントによるものですが、アンゴラの不満が爆発しました。アンゴラに大規模な増産能力はないとみられるため、短期的な需給環境に影響はほとんどないでしょう。将来的にアンゴラが本当に増産能力を有するのかは、今後の投資状況に依存します。
それより問題なのは、アンゴラの脱退をきっかけにOPECに亀裂が走ってしまうことでしょう。幾ら減産しても原油価格が上昇しないことで、減産の「コスト」と「利益」のバランスが取れているのか疑問視される状況になっています。第二、第三のアンゴラが出てくると、OPECはその歴史的役割を終えてしまう可能性もあります。
アンゴラも来年の採算割り当て縮小は、第三者機関の調査で産油能力がなくなっているとの評価で、OPEC離脱でも大規模増産が見込まれている訳ではない。ただ、本来だと170万バレル規模の産油能力あるのに110万バレルは、厳しくないかと不満を募らせ気味。… pic.twitter.com/BFHX5Mdb5l
— 小菅 努 (@kosuge_tsutomu) December 21, 2023
アンゴラ、OPEC脱退 「自国の利益にならず」と石油相
https://news.yahoo.co.jp/articles/61c54d02ff8bb24b7ba0b85afd66dd3668f69337Yahoo!ニュースのこの記事には、Expertコメントを書きました。
【銅】
2023年の銅相場は、値崩れこそ起こしませんでしたが、上値の重さが目立ちました。脱炭素社会の重要な貴金属として注目度は高かったものの、中国経済が予想外の停滞を迫れたこともあり、価格は総じて年前半にピークを付け、その後は上値の重さが目立ちました。

LME銅相場(3ヵ月物)
日本経済新聞に資源大手BHPグループの最高商務責任者(CCO)パント氏のインタビュー記事が掲載されましたが、銅相場の現状と将来を考える上で参考になります。
銅価格の見通しは 需給ミスマッチで上昇も
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77165310R21C23A2ENG000/
このため、BHPは「我々はここに商機があると判断し、銅資産へ投資してきた」と、現在から投資を行っている訳です。構造的な供給不足状態に陥ってから投資を開始しても間に合いません。その時の需要にしっかりと応えるための投資が現在行われている訳です。過剰投資のリスクには注意が必要ですが、最近の価格低迷状態を見る限りだと、寧ろ投資の遅れが警戒される状況です。長期目線での銅・銅関連資産投資は有望でしょう。
銅関連株だと、総合商社以外にもアルコニックス(3036)、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)などがあります。また、銅価格に直接投資するものとしては、WisdomTree 銅上場投資信託(1693)もあります。
現状については、「銅は今後2~3年はやや供給過多になると見ており、現状の軟調な推移も驚きはない。」としています。一方、将来については「その後は脱炭素関連需要が増えて構造的な供給不足に陥り、解消されないとみる。」としています。
つまり足元の需給緩和、将来の供給不足を見込んでいます。現状では中国経済の停滞もあって需給バランスは緩和状態にありますが、これから脱炭素関連の需要が増えれば、一時的ではなく構造的な供給不足に移行するとの見方になります。
つまり足元の需給緩和、将来の供給不足を見込んでいます。現状では中国経済の停滞もあって需給バランスは緩和状態にありますが、これから脱炭素関連の需要が増えれば、一時的ではなく構造的な供給不足に移行するとの見方になります。
このため、BHPは「我々はここに商機があると判断し、銅資産へ投資してきた」と、現在から投資を行っている訳です。構造的な供給不足状態に陥ってから投資を開始しても間に合いません。その時の需要にしっかりと応えるための投資が現在行われている訳です。過剰投資のリスクには注意が必要ですが、最近の価格低迷状態を見る限りだと、寧ろ投資の遅れが警戒される状況です。長期目線での銅・銅関連資産投資は有望でしょう。
銅関連株だと、総合商社以外にもアルコニックス(3036)、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)、DOWAホールディングス(5714)などがあります。また、銅価格に直接投資するものとしては、WisdomTree 銅上場投資信託(1693)もあります。