【地政学】
今年は選挙イヤーとあって、台湾総統選、米大統領選などが政治リスクとして注目されていますが、ここにきて北朝鮮情勢も大きく動き始めています。

韓国は「第1の敵対国」 金正恩氏演説、憲法改正へ 北朝鮮

「北朝鮮は、昨年末の党中央委員会総会で、韓国を「同族関係ではない、敵対的な国家関係」と位置付け、統一政策の転換を宣言。」これを憲法に正式に反映させようとする動きです。北朝鮮と韓国は同じ民族として対立しつつも祖国統一というテーマを抱えていましたが、北朝鮮は韓国を敵国との位置づけに変えつつあります。



米専門家「金正恩委員長、戦争決めたようだ…朝鮮戦争直前以来最も危険」
Is Kim Jong Un Preparing for War?

北朝鮮問題の専門家の分析だと、1990年から2019年までの米国との国交正常化に失敗したことが、戦略的な転換を促している可能性があります。また、最近の国際情勢は北朝鮮にとって有利に傾いているとの認識もあるようです。韓国や米国は、仮に北朝鮮が戦争を引き起こせば現在の北朝鮮体制は崩壊するとの抑止力を絶対視していますが、この抑止力がもはや機能しない段階に到達しているのかもしれません。

北朝鮮国内では、政府高官が「戦争」への言及を増やしており、米国との国交正常化が絶望的な状態になる中、軍事的解決を志向する可能性が高まっているのかもしれません。その際は韓国はもちろん、日本、そしてグアムなども北朝鮮の攻撃対象になる可能性があります。

世界の目がウクライナや中東の戦争に向かう中、北朝鮮が新たな戦争を引き起こすリスクシナリオも考えておくべきかもしれません。


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・ゴム報知新聞【マーケットアナリティクス】