小菅努の商品アナリスト日記

金、プラチナ、原油、天然ゴム、穀物、農産物などのコモディティ市場をメインに、為替、株価指数などもカバーしています。

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gold/silver

40年ぶりの高値で注目!初めての「金」先物取引2021

2021年1月28日開催 北浜投資塾ウェビナー
『40年ぶりの高値で注目!初めての「金」先物取引2021』  

日本取引所グループ(JPX)大阪取引所が主催でお届けするリアルタイムWebinarです。

講師にマーケットエッジ代表取締役小菅努氏、ナビゲーターにJBMA理事大橋ひろこ氏を迎え、投資家の皆様に向けて40年ぶりの高値で注目された「金」について、2020年を振り返り今後の動向やポイント、先物取引をメインに金の活用方法等をテーマにお話しいただきます。

金相場の急落に想うこと

バイデン政権の誕生を前に、金融市場は動揺を見せています。当初は、バイデン政権下で想定される景気対策やインフラ投資といった財政出動への期待感がリスクオン化を促していましたが、その期待感が更に強まる中、金利上昇という新たな副作用が生じている結果です。

金利はリスク投資に求められるパフォーマンスの水準を決める要因の一つであり、金利が上昇すれば、従来よりも高いパフォーマンスが求められ、それが無理だと判断されると米国債に資金は流れ込みます。米長期金利は1月6日に1.0%の節目を突破し、8日には1.1%台に乗せました。依然として歴史的な低水準ですが、「金利が上昇し始めた」という事実そのものが、投資家心理を不安に傾けています。特に米金融当局者が当面の金利上昇を静観する姿勢を見せる中、まだ金利上昇余地は大きいのではないかとの警戒感が広がっています。

金市場の視点では、インフレ期待とバランスの取れた金利上昇は、実質金利の大きな変動をもたらさないため、本来であれば大きな問題になる動きではありません。実際にドルインデックス、暗号資産ビットコインも金利上昇に目立った反応を示しておらず、株式市場も冷静です。しかし、金相場のみが5日と8日の取引で急落しました。これは何を意味するのでしょうか。

一つは単純な下げ過ぎとの評価ができます。ドルが大きく動いていないにもかかわらず、長期金利の1%突破に驚いて、ファンドのパニック的な売りが膨らんだ割安な状態と言えます。もう一つが、金相場の上昇は終わったとの評価です。これから経済が正常化プロセスに向かう中、金利が更に上昇を続ければ、インフレ期待の上昇とのバランスが崩れ、実質金利も上昇に転じるリスクが高まります。場合によっては、市場の声に押される形で米連邦準備理事会(FRB)が早くもテーパリングに踏み切る可能性があります。

もう一つ別角度からは、やはりビットコインとの競合が激化しているとの見方もできます。ビットコインは連日のように過去最高値を更新しており、代替通貨内での投資ニーズの一部ないしは多くがビットコインによって奪われている可能性があります。

伝統的な実質金利、ドルなどとの比較では下げ過ぎ状態との評価が妥当でしょうが、他資産価格の変動からは正当化できない急落地合については、注意が必要になりそうです。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

米長期金利1%突破で金急落も、過剰反応でしょう

米ジョージア州の上院2議席の決選投票では、接戦となりましたが民主党が2議席を獲得し、大統領、上院、下院のいずれも民主党が支配権を握る状態になることが決まりました。1月20日にバイデン氏の大統領就任式が行われますが、バイデン新政権では政策運営における議会の制約が弱まり、大規模な財政出動が行われるとみられています。

これは当然に国債発行によるファイナンスが行われるため、国債需給の緩みに対する警戒感から米長期金利は1%の節目を突破する展開になりました。経済の過熱化、債務膨張によるインフレ懸念の高まりもあり、金利上昇圧力が本格化しています。

金利を生まない金にとっては、こうした金利上昇圧力はネガティブであり、実際に長期金利が1%を突破した1月6日の取引で、COMEX金先物相場は前日比45.80ドル安の1,908.60ドルと急落しました。このままバイデン政権誕生で金利上昇が進み、金相場は値崩れを起こすのでしょうか。

ただ、今回の金利上昇はインフレ期待の上昇と連動しているため、実質金利環境には大きな変動がありません。金相場は1%突破のヘッドラインに慌てて急落しましたが、金利要因で値崩れを起こすリスクは限られそうです。実際に米金利上昇に対してドルは瞬間的に上昇で反応しましたが、すぐに軟化しています。

また、金利上昇は金融市場や実体経済にも動揺をもたらすため、そのこと自体が金利上昇の制約になります。特に株式市場では歴史的低金利環境が前提条件になっているため、その前提が崩れると株価急落が警戒されます。いずれかの時点で金利水準を引き上げていくことが理想ですが、まだパンデミックの有事の際であり、本格的な金利上昇が金相場の値崩れを促すのは時期尚早でしょう。米連邦準備制度理事会(FRB)の反応が注目されます。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

ビットコインと金の相関関係、トレンドを共有できるのか

年末年始を挟んで暗号資産ビットコイン(BTC)相場が大きく動きました。法定通貨に対する代替通貨という視点では金と同じロジックを共有するマーケットと言える一方、代替通貨間での競合も警戒される状況にあります。

ドル建ての金とビットコインの相関係数を2015年以降の週足で計算すると+0.72と、かなり強めの相関が出ています。年毎だと2015年が-0.67、16年が+014、17年が+0.45、18年が+0.58、19年が+0.73、20年が+0.48となっています。ビットコインの低迷していた15年や16年時点では目立った相関は見られませんでしたが、17年以降はある程度の相関関係を認めることができます。もちろん、偶然の一致の可能性もありますが、19年後半以降にビットコインと金が同時に大きく上昇し始めたことからは、ドルに対する代替通貨のニーズが高まったことが窺えます。

ビットコイン価格の高騰を歓迎すべきか警戒すべきか、今年の金市場では活発な議論が行われそうです。金相場の値上がり、値下りといったトレンドが機関投資家によるビットコインの認知で変わることはないと考えていますが、従来と比較して金融市場などの変動に対する反応が鈍くなる可能性は想定しておく必要がありあそうです。

無題

















【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

年明け後もBTCの急伸続く、新たな機関投資家の買いか?

年明けと週末が重なり主要マーケットが休場となる中、暗号資産ビットコインが急伸しています。1ビットコイン=3万ドルを完全に突破しています。そのCoinpostは、「米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースProから、ビットコインが3万5000BTC(1160億円相当)超出金されたことが分かった。」と報じています。

詳細は当事者にしか分かりませんが、金額の大きさからはOTC取引で機関投資家がビットコインを購入した可能性が高そうです。自己投資なのか、購入したビットコインで新しい金融商品を組成する動きかは分かりませんが、機関投資家によるビットコイン投資のトレンドを再確認する動きと言えます。

既に生命保険増すミューチュアル、投資会社スカイブリッジ・キャピタルなどがビットコインへの投資拡大を行っていることが確認されています。特にリップル(XPT)の取引環境が急激に悪化する中、暗号資産市場内でビットコインの相対的な評価が高まっている影響もありそうです。

これがドルに対する退避ニーズだった場合には、金相場にとってはマクロ環境の強気を確認する一方、ビットコインとの競合が警戒されることになります。



【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】



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プロフィール
小菅 努(こすげ つとむ)

1976年千葉県松戸市生まれ。筑波大学卒。商品先物・FX会社の営業本部、ニューヨーク事務所、調査部門責任者等を経て、現在はマーケットエッジ(株)代表取締役。商品アナリスト。貴金属、金属、エネルギー、ゴム、農産物などの商品先物市場全般が主なカバー対象です。商社、事業法人、金融機関向けに分析レポートを配信しています。為替、株価指数などもカバーしています。

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