【原油】
イラン海軍は、オマーン沖で石油タンカーを拿捕しました。イスラエル=ハマスの戦争が始まってから、石油タンカーが攻撃や拿捕の対象になったのはこれがおそらく初の事例になります。
拿捕されたのは「セント・ニコラス」号で、イラク産原油をトルコ向けに輸送する途中でした。イランは、「米国の対イラン制裁に対する報復措置」と説明していますが、どういうことでしょうか。
この「セント・ニコラス」号はかつての船名が「スエズ・ラジャン」であり、2023年4月にイラン産原油を中東に輸送中に米軍によって拿捕され、イラン側の理解だとイスラエルロビーの活動によって98万バレル以上の原油を没収された際に使用された船舶です。イランとしては、この同じ船舶を拿捕することで、米国に奪われた原油を取り戻したとの理解でになります。
ただし、イエメンの武装組織フーシ派が紅海で船舶に対する攻撃を続ける中、海上交通の妨害であることは間違いなく、これが直接的なきっかけかは分かりませんが、米英はフーシ派の関連施設に対する直接攻撃に踏み切りました。
これまでも米海軍は、フーシ派のドローンやミサイル攻撃の妨害は行っていましたが、ついに直接攻撃に踏み切りました。イスラエル=ハマス紛争の拡散を警戒してフーシ派に対しては慎重な対応を続けていましたが、もはや許容ラインを超えたということでしょう。
イラン海軍は、オマーン沖で石油タンカーを拿捕しました。イスラエル=ハマスの戦争が始まってから、石油タンカーが攻撃や拿捕の対象になったのはこれがおそらく初の事例になります。
イランが石油タンカー拿捕、オマーン沖 米への報復=国営通信
拿捕されたのは「セント・ニコラス」号で、イラク産原油をトルコ向けに輸送する途中でした。イランは、「米国の対イラン制裁に対する報復措置」と説明していますが、どういうことでしょうか。
この「セント・ニコラス」号はかつての船名が「スエズ・ラジャン」であり、2023年4月にイラン産原油を中東に輸送中に米軍によって拿捕され、イラン側の理解だとイスラエルロビーの活動によって98万バレル以上の原油を没収された際に使用された船舶です。イランとしては、この同じ船舶を拿捕することで、米国に奪われた原油を取り戻したとの理解でになります。
ただし、イエメンの武装組織フーシ派が紅海で船舶に対する攻撃を続ける中、海上交通の妨害であることは間違いなく、これが直接的なきっかけかは分かりませんが、米英はフーシ派の関連施設に対する直接攻撃に踏み切りました。
米英がフーシ派拠点を空爆、商船襲撃に対抗-中東で緊張拡大の恐れ
これまでも米海軍は、フーシ派のドローンやミサイル攻撃の妨害は行っていましたが、ついに直接攻撃に踏み切りました。イスラエル=ハマス紛争の拡散を警戒してフーシ派に対しては慎重な対応を続けていましたが、もはや許容ラインを超えたということでしょう。
フーシ派、報復の可能性 イランが支援、反イスラエル鮮明
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024011201010&g=int
フーシ派は当然に報復を警告しており、イランがどの程度の関与を見せるのかによって、今後の中東情勢は大きく揺れ動きます。サウジアラビアとフーシ派の休戦合意への影響も懸念されています。
「需要不安」と「供給不安」との狭間で揺れ動く原油相場にとっては、「供給不安」のレベルを引き上げる動きとの評価が求められます。原油生産には影響が生じていないために一気に急伸する環境にもありませんが、下げづらくなったこと、突発的な急伸リスクが高まったことは確かでしょう。

NYMEX原油先物相場(日足)
フーシ派は当然に報復を警告しており、イランがどの程度の関与を見せるのかによって、今後の中東情勢は大きく揺れ動きます。サウジアラビアとフーシ派の休戦合意への影響も懸念されています。
「需要不安」と「供給不安」との狭間で揺れ動く原油相場にとっては、「供給不安」のレベルを引き上げる動きとの評価が求められます。原油生産には影響が生じていないために一気に急伸する環境にもありませんが、下げづらくなったこと、突発的な急伸リスクが高まったことは確かでしょう。

NYMEX原油先物相場(日足)