【原油】
米エネルギー情報局(EIA)の週間需給統計(1/5時点)が発表されましたが、原油・石油製品在庫ともに増加しました。
米週間原油在庫が予想外に増加、留出油は2年超ぶりの高水準
https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/7RNULZPTRNIUFHYZ4V5OHHEUZQ-2024-01-10/
「5日までの週の軽油と暖房油を含む留出油在庫は650万バレル増の1億3240万バレルと、2021年9月以来の高水準に達した。アナリスト予想は240万バレルの増加。」
特に石油精製品在庫の増加幅の大きさがネガティブ材料として注目を集めています。

米石油精製品在庫
在庫の増加は「供給>需要」の関係式で決まるため、これは供給が過剰、需要が不足、もしくはその双方が原因になります。

米石油精製品需要
これは石油精製品需要です。需要が強いとは言えませんが、在庫急増を促すような弱さは確認できません。マーケットでは「在庫増=需要が弱い」と解釈していますが、実際には違うようです。

米製油所原油処理量
そこで供給サイドに目を向けると、製油所で原油処理量が急増していることが確認できます。これは末端需要がカバーできない量の供給を行っていることを意味します。米石油精製品在庫の急増は、需要問題ではなく供給問題であることが確認できます。

米原油在庫
それであれば、原油在庫が急減すれば石油在庫全体としては中立評価になりますが、実際には原油在庫も増加しました。米国内の増産圧力が強い一方、輸出が十分に拡大していないため、過剰な石油製品を生産していることが、余剰在庫問題を引き起こしていると言えるでしょう。
原油、石油製品のいずれかの輸出拡大が要求されますが、それが可能な国際需給環境にはない模様です。根が深い問題です。
「5日までの週の軽油と暖房油を含む留出油在庫は650万バレル増の1億3240万バレルと、2021年9月以来の高水準に達した。アナリスト予想は240万バレルの増加。」
特に石油精製品在庫の増加幅の大きさがネガティブ材料として注目を集めています。

米石油精製品在庫
在庫の増加は「供給>需要」の関係式で決まるため、これは供給が過剰、需要が不足、もしくはその双方が原因になります。

米石油精製品需要
これは石油精製品需要です。需要が強いとは言えませんが、在庫急増を促すような弱さは確認できません。マーケットでは「在庫増=需要が弱い」と解釈していますが、実際には違うようです。

米製油所原油処理量
そこで供給サイドに目を向けると、製油所で原油処理量が急増していることが確認できます。これは末端需要がカバーできない量の供給を行っていることを意味します。米石油精製品在庫の急増は、需要問題ではなく供給問題であることが確認できます。

米原油在庫
それであれば、原油在庫が急減すれば石油在庫全体としては中立評価になりますが、実際には原油在庫も増加しました。米国内の増産圧力が強い一方、輸出が十分に拡大していないため、過剰な石油製品を生産していることが、余剰在庫問題を引き起こしていると言えるでしょう。
原油、石油製品のいずれかの輸出拡大が要求されますが、それが可能な国際需給環境にはない模様です。根が深い問題です。
EIA米石油在庫 1/5時点
— 小菅 努 (@kosuge_tsutomu) January 10, 2024
原油 +134万バレル
ガソリン +803万バレル
石油精製品 +653万バレル
実際には末端の石油製品需要が弱いというよりも、生産しすぎなんだろうけど、石油精製品在庫は7週連続の増加(グラフ)。この在庫変動だと、買えないとの評価。 pic.twitter.com/p0Rf8gPw9B
【お知らせ】
大阪取引所のウェビナーの動画がYoututeで公開されました。12/16(土)開催分です。金、原油、トウモロコシ相場について、初心者向けの内容で構成しています。よろしければご覧ください。
コモディティ ・ マーケットの分析と2024年の展望
https://www.youtube.com/watch?v=auB2uLG2yDM
大阪取引所のウェビナーの動画がYoututeで公開されました。12/16(土)開催分です。金、原油、トウモロコシ相場について、初心者向けの内容で構成しています。よろしければご覧ください。
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