【金】
12月米雇用統計は、マーケットに広がる3月利下げ観測を支持する内容にはなりませんでした。依然として雇用者数が着実に増え、失業率は抑制され、強めの賃金上昇圧力が維持されていることが確認されています。
雇用市場の過熱化に対する警戒感が強くなっている訳ではなく、寧ろ雇用市場は徐々に軟化しているとの評価が基本になりますが、少なくとも利下げを急がせるような数値にはなりませんでした。

一方で、雇用統計を受けての金相場の値下がりは一時的なものに留まりました。
一つが、雇用統計の90分後に発表された12月ISM非製造業指数が52.7から50.6まで低下した影響でしょう。米実体経済の減速傾向を裏付ける数値になっています。
もう一つが、そもそも雇用統計は見かけの数値程に強くないとの見方です。

一例として、フルタイム労働者の急減、パートタイム労働者の急増が注目されています。つまり、見かけ上は雇用者数が着実に伸びていますが、その大部分がパートタイム労働者であり、フルタイム労働者に限定すると逆に急減しています。雇用の質は明らかに悪化しています。

COMEX金先物相場(日足)
いずれにしても雇用統計を受けて米長期金利は上昇しましたが、ドル高と金相場安は瞬間的な値動きに留まりました。雇用統計発表前に急落していた影響も大きいのでしょうが、そろそろドル売り・金買いの値頃感も意識されている模様です。11日に12月消費者物価指数が発表されるのが、次の大型イベントになります。
そして、中国の12月金準備は11月の2,226.39トンから2,235.41トンまで9.0トン増加したことが報告されています。2022年11月から14ヵ月連続の増加報告になります。

6~10月が20トン超だったのに対して、11月が11.82トン増、12月が9.02トン増と、ややペースは鈍化しています。金価格高騰の影響でしょうか? それでも、中国が断続的に金準備を増強していることは、金相場に対して強力なポジティブ材料になります。2024年にもこの流れが持ち越されるかが重要な論点になります。
【お知らせ】
大阪取引所のウェビナーの動画がYoututeで公開されました。12/16(土)開催分です。金、原油、トウモロコシ相場について、初心者向けの内容で構成しています。よろしければご覧ください。
コモディティ ・ マーケットの分析と2024年の展望
https://www.youtube.com/watch?v=auB2uLG2yDM
12月米雇用統計は、マーケットに広がる3月利下げ観測を支持する内容にはなりませんでした。依然として雇用者数が着実に増え、失業率は抑制され、強めの賃金上昇圧力が維持されていることが確認されています。
雇用市場の過熱化に対する警戒感が強くなっている訳ではなく、寧ろ雇用市場は徐々に軟化しているとの評価が基本になりますが、少なくとも利下げを急がせるような数値にはなりませんでした。

米雇用者の伸び加速、賃金は予想上回る上昇-労働市場の堅調持続
一方で、雇用統計を受けての金相場の値下がりは一時的なものに留まりました。
一つが、雇用統計の90分後に発表された12月ISM非製造業指数が52.7から50.6まで低下した影響でしょう。米実体経済の減速傾向を裏付ける数値になっています。
米ISM非製造業指数、活動拡大ペース急減速-雇用は大幅な縮小
もう一つが、そもそも雇用統計は見かけの数値程に強くないとの見方です。

一例として、フルタイム労働者の急減、パートタイム労働者の急増が注目されています。つまり、見かけ上は雇用者数が着実に伸びていますが、その大部分がパートタイム労働者であり、フルタイム労働者に限定すると逆に急減しています。雇用の質は明らかに悪化しています。

COMEX金先物相場(日足)
いずれにしても雇用統計を受けて米長期金利は上昇しましたが、ドル高と金相場安は瞬間的な値動きに留まりました。雇用統計発表前に急落していた影響も大きいのでしょうが、そろそろドル売り・金買いの値頃感も意識されている模様です。11日に12月消費者物価指数が発表されるのが、次の大型イベントになります。
そして、中国の12月金準備は11月の2,226.39トンから2,235.41トンまで9.0トン増加したことが報告されています。2022年11月から14ヵ月連続の増加報告になります。

6~10月が20トン超だったのに対して、11月が11.82トン増、12月が9.02トン増と、ややペースは鈍化しています。金価格高騰の影響でしょうか? それでも、中国が断続的に金準備を増強していることは、金相場に対して強力なポジティブ材料になります。2024年にもこの流れが持ち越されるかが重要な論点になります。
【お知らせ】
大阪取引所のウェビナーの動画がYoututeで公開されました。12/16(土)開催分です。金、原油、トウモロコシ相場について、初心者向けの内容で構成しています。よろしければご覧ください。
コモディティ ・ マーケットの分析と2024年の展望
https://www.youtube.com/watch?v=auB2uLG2yDM