バイデン大統領の就任式を経て、金相場は約2週間ぶりの高値を更新しました。ここで注目されたのは、「米長期金利が急伸しなかった」という不作為です。マーケットが警戒していたのは、改めて財政出動に対する警戒感が米金利を大きく押し上げ、ドルも押し上げられる展開でした。しかし、株式や商品市場は財政政策への期待を織り込む一方で、債券・為替市場は目立った動きを見せませんでした。これは、少なくとも短期的な米金利上昇圧力に関しては消化が終わっている可能性を強く示唆しています。

金市場の目線では、債務膨張圧力がポジティブ材料視されますが、それを打ち消していたのが米金利上昇・ドル高圧力でした。しかし、改めて金利上昇もドル高も発生しないのであれば、債務膨張圧力がダイレクトに金相場を支援することになります。今後は議会で1兆9,000億ドルの経済対策を具体化させるための動きが始まりますが、金利上昇の有無が注目される地合が続きます。金利環境さえ沈静化すれば、金相場は大きく上昇するエネルギーを抱えていることが、大統領就任式の金相場の値動きから確認されたと評価しています。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】