1月4日に石油輸出国機構(OPEC)プラスは2月の生産政策を決定する協議を行いましたが、結論を出すことができず、5日に継続協議扱いになりました。昨年12月のOPECプラス会合では、生産据え置き、もしくは減産強化を主張するサウジアラビアと、予定通りの増産開始を主張するロシアとの溝が埋まらず、1月に日量50万バレルと小規模な増産を行い、2月以降は毎月協議して判断を下す「段階的増産」によって両者が妥協を行いました。


その後は原油価格が高値安定化し、OPECプラスの増産対応に対して目立った抵抗は示していません。一方で、パンデミックの深刻化で需要環境は一段と悪化しています。こうした中、サウジアラビアは今度こそ増産を見送るべきと主張しましたが、ロシアが予定通りに追加増産を主張していることで、合意が形成できていない模様です。

パンデミックによる需要見通しの急激な悪化を考慮すれば、おそらくサウジアラビアの主張の方に正当性があるのでしょう。増産対応を急がず、パンデミックが一服して需要環境が改善した後の増産対応の方が論理的です。一方で、原油価格が高止まりしているのであれば、追加増産も問題はないとのロシアの主張にも一定の説得力があります。

この問題は、原油相場がワクチン開発の動きに呼応して将来の需要改善を先取りしすぎていることに原因があり、実際の需給とかい離した原油価格が、ロシアを必要以上に強気にさせてしまっているようです。どのような形で合意が形成できるのか、それとも協議が決裂するのか判断できる材料がありませんが、産油国(サウジアラビア)の実感と原油価格との間にズレがあることは間違いなさそうです。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】