今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)が終了しましたが、このタイミングで暗号資産ビットコイン(BTC)価格が急伸しています。ドル建てでは1BTC=2万ドルの節目を初めて上回りました。2017年11月に1万ドルを突破してから、実に3年1カ月で1万ドル超の値上がりを実現した格好になります。その間に大きな乱高下を経験しましたが、基調の強さが再確認できます。

今年10~12月期に入ってからは、特に機関投資家のBTC投資参入が各所で報告されていますが、2万ドルの節目突破を受けて、機関投資家の物色意欲が更に強まる好循環に突入するのではないかとの見方も広がっています。機関投資家の参入とBTC価格の上昇のどちらが先かは、「卵か鶏か」の議論になってしまいますが、いずれにしてもBTCの投資環境が大きく変わっていることは確かでしょう。CMEのBTC先物の出来高、取組高をみても、明らかに投資ステージが変わっていることが窺えます。

FOMC後は金価格も急騰していますが、ワクチン開発後も強力な金融緩和スタンスへのコミットが確認された影響が、ドルに対する代替通貨への投資ニーズを高める構図が確認できます。当局者は2023年までのゼロ金利政策継続見通しを確認し、更に資産購入プログラムの解除時期についても、完全雇用とインフレ目標の達成というターゲットが設定されています。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、景気動向次第では追加緩和も辞さない姿勢を確認しています。ワクチン開発による経済正常化期待が強くなっていますが、結局はまだ金融政策も財政政策も支援の手を緩めることが可能な状態にはないことが確認できます。

BTCと金がともに高騰していますが、ここで考えさせられるのは、金投資ニーズの一部がBTC投資によって吸収されている可能性です。BTCと金は法定通貨という代替通貨では共通の利害関係にありますが、一方で代替通貨に対する投資対象としては競合関係にもあります。これまでは金の圧倒的な優位性が認められていましたが、機関投資家もBTC投資に参入するとなると、話は変わってきます。もしBTCの存在がなければ、金相場は最近の安値修正局面で更に大きく上昇していたのかもしれません。価格としては逆相関にはなりませんが、BTC市場が成長に向かうのであれば、それに見合ったペースで代替通貨に対するニーズを拡大していかなければ、BTCの成長が金投資需要に対しては足かせになってしまいます。BTCと金の関係性を改めて考えさせられる状況になっています。

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【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】