トウモロコシ相場は底入れ
収穫期の豪雨に苦しむ

シカゴ穀物相場が上昇している。CBOTトウモロコシ先物相場は、9月9日の1Bu=352セントをボトムに、10月入りしてからは390セント水準まで急伸する展開になっている。8月は受粉期を無難に消化したことで急落地合を形成していたが、改めて天候リスクに敏感な地合になっているためだ。

10月のトウモロコシは収穫を迎える時期になり、本来であればハーベスト・プレッシャーが相場を下押しされ易い時間帯になる。倉庫に大量の荷が確保されることで、現物市場での売却圧力が強まることが、定期相場も下押しする傾向が強い。しかし今季は、この収穫期に豪雨傾向が強くなっており、収穫作業の停滞が強く警戒されている。

米国のコーンベルト北部からカナダ南部にかけては、前線が発達しており、連日のように豪雨が観測されている。一部では洪水被害も発生しており、収穫作業が遅れがちになっている。今季は作付け作業の遅れで生産ステージ全体が遅れがちになっているが、収穫期の長雨は品質悪化に直結するため、予想されていた収量を確保できないのではないかとの警戒感が広がっている。

あくまでも天候次第の相場環境にあり、晴天が続くようになれば、収穫作業は一気に終了に向かうことになり、ハーベスト・プレッシャーの相場圧迫が開始される可能性もある。しかし、現時点での気象予報では、10月も雨がちな天候が続く見通しになっており、更に豪雨・洪水被害が続くと、収穫期にもかかわらず急伸地合が形成される可能性もある。

トウモロコシ市場においてもう一つ注目されたのが、9月30日に米農務省(USDA)が発表した四半期在庫である。これは2018/19年度の期末在庫を確定する数値になるが、市場予測24.28億Buを大きく下回る21.14億Buとなった。これは、マーケットの想定よりも需要が上振れしていたが、生産が下振れしていたことを意味する。USDAは10日に最新の需給報告を発表するが、そこでは18/19年度の在庫見通しの大幅な下方修正が行われるのが確実な情勢になっている。前年同期の21.40億Buも下回る在庫水準であり、少なくともトウモロコシ相場は大きな値下りは要求されなくなっている。350~360セント水準で今季のボトムを確認した可能性が高い。

一方、10月10~11日には閣僚級の米中通商協議が開催される。中国は協議を順調に進めるため、事前に米国産大豆の大量購入に踏み切っている。トウモロコシに関しては直接的な影響は小さいが、仮に中国の米国産農産物の購入環境が正常化に向かうのであれば、シカゴ穀物相場全体の価格水準が切り上がる可能性も浮上する。

今後は南米の作付け期も始まることになるが、米国産の生産水準が抑制される中、19/20年度の国際トウモロコシ需給は引き締まり易い環境にある。値固めを進めつつ、上昇の機会を探る展開になろう。
(2019/10/03執筆)

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

(出所)中部経済新聞2019年10月7日「私の相場観」

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