小菅努の商品アナリスト日記
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2020/09
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2020/09/30
18:37
【金相場:ピークアウトか調整安か】7つの視点で論点整理
カテゴリ
gold/silver
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commodity_analyst
「ひろこのウィークリーゴールド」に出演しました。
【金相場:ピークアウトか調整安か】7つの視点で論点整理
2020/09/28
12:00
原油売りに脅しかけるサウジ
カテゴリ
oil
commodity_analyst
原油売りに脅しかけるサウジ
リビア出荷再開で需給緩む
サウジアラビアのアブドルアジズ・エネルギー相は、原油市場で空売りを行っているトレーダーに対して、「地獄のような痛手」を負うことになるだろうと警告した。原油需要の先行き不透明感から価格水準が切り下がる中、石油輸出国機構(OPEC)プラスによる需給安定化の試みの失敗を予測するような動きを強くけん制した格好になる。
NY原油先物相場は、9月に入ってから1バレル=40ドルの節目を割り込む場面が増えている。北半球でドライブシーズンが終了して需要の端境期に入っている季節要因に加えて、コロナ禍の脅威が再び高まっていることで、需要見通しの不確実性が増していることが警戒されているためだ。例年、9~10月にかけてはガソリン需要が低迷し、製油所のメンテナンスシーズン入りによって原油需給は緩む傾向にある。今年は特に、航空機の飛行距離が抑止されていることに加えて、リモートワークやビデオ会議の普及が進んでいるため、輸送用エネルギー需要の低迷が強く警戒されている。
しかも石油メジャーBPは、原油需要の拡大サイクルが既に終了した可能性も指摘している。新型コロナウイルスによって人々の行動様式が大きく変わったことに加えて、環境規制強化の動きが加速する中、再生可能燃料シフトが従来想定されていたよりも早いペースで進展するとの見通しを示している。マーケットでは、石油需要のピークが2030年ころに訪れるとの漠然としたコンセンサスがあるが、仮にコロナ禍が終息しても原油需要が従来のような拡大基調に回帰できないリスクが、原油相場の地合悪化を促している。
ただ、OPECプラスとしては改めて原油需給が緩み、価格低迷が再開されることは許容できるものではない。8月には需要回復傾向を受けて協調減産の規模を日量970万バレルから770万バレルまで縮小したばかりだが、サウジアラビアは原油安が更に進むようであれば、10月にも改めて追加減産を行う可能性を示唆している。追加減産カードを誇示することによって、原油の空売りをやめるように圧力を掛けている。
しかし、これは追加減産の検討を開始しなければならない程に、原油需給見通しの緩和リスクが高まっていることを意味する動きである。OPECプラスとしては、年末を以て減産規模を更に縮小することで、生産体制の正常化を進めることを計画している。しかし、仮に改めて減産規模の拡大を迫られる状況になると、半永久的に協調減産から抜け出せなくなる可能性も浮上する。
しかも、北アフリカのリビアでは東西勢力の停戦合意が実現し、原油輸出が再開され始めている。リビアは内戦によって原油輸出がほぼ停止していたが、このまま停戦合意が守られると、早期に日量100万バレル規模の追加供給が行われる可能性もある。これは協調減産合意の影響を受けないため、リビアの生産動向によってはOPECプラスが直ちに追加減産の協議を迫られる可能性もありそうだ。
(2020/09/23執筆)
【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】
(出所)中部経済新聞2020年09月28日「私の相場観」
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2020/09/21
12:00
需要不安を織り込む原油相場
カテゴリ
oil
commodity_analyst
需要不安を織り込む原油相場
原油需要拡大のピーク論も
NY原油先物相場は、1バレル=40ドルの節目を割り込む展開になっている。4月以降は、コロナ禍からの経済活動の正常化を先取りする動きが優勢になり、緩やかなペースで価格水準を切り上げていた。新型コロナウイルスは第2波、第3波といった動きも各国で報告されているが、トレンドとしてみれば各国は感染対策を継続しながら経済活動を再開する方向性にあり、需要環境も正常化に向かうとの期待感が、素直に原油相場を押し上げる展開が続いていた。しかし、9月入りと前後して需要環境の評価が急激に悪化し、6月中旬以来の安値を更新する展開になっている。
背景の一つは、季節要因である。北半球は夏季休暇のドライブシーズンが終了し、需要の端境期に突入している。製油所は冬の暖房用エネルギーの増産を前に定期修理に突入することになり、9~10月は季節要因から需給が緩み易い時間帯になる。こうしたトレンドは毎年みられるものだが、今季はコロナ禍の影響で需要の絶対水準が低いだけに、需要端境期の需給の緩みが例年以上に深刻化するのではないかとの危機感が強い。
もう一つは、需要回復ペースの鈍さである。マーケットでは、経済活動が再開され正常化に向かえば、輸送用エネルギー需要も正常化に向かうとの楽観的な見方が優勢だった。しかし実際には、経済活動を再開しているとは言え、テレワークやビデオ会議など移動を伴わない業務形態が広がりを見せている。また、新型コロナウイルスの感染リスクに対する警戒感、各国の入国規制の影響もあって、航空業界は依然として深刻なダメージを受けている。このため、航空機用のジェット燃料需要の回復が遅れており、中間留分需給全体に緩みが目立つ状況にある。
英石油メジャーBPは、世界の原油需要が既にピークを過ぎた可能性を指摘している。コロナ禍による経済環境の悪化、更には行動様式の変化を受けて、原油需要がコロナ禍以前の水準には永久に戻らない可能性を指摘している。各国の環境政策や技術開発動向によっては、再生可能エネルギーへの転換が急速に進み、原油需要は18年の日量9980万バレルから30年には9250万バレル、50年には3060万バレルまで更に落ち込む可能性もあるとしている。
現時点では原油需要のピークが19年だったとの見方は、一般的とは言えない。新型コロナイルスのワクチンが開発され、経済活動が正常化に向かえば、21年にも需要環境は急激に改善するとの見方も強い。ただ、足元では想定されていた需要回復が見られないのも事実であり、国際エネルギー機関(IEA)や石油輸出国機構(OPEC)も需要見通しの下方修正を迫られている。石油会社・商社が、供給のだぶつきに備えて備蓄用の大型タンカーを傭船するような動きも報告されている。冬の需要期が始まるまでは、30ドル台中盤から後半で上値の重い展開が続き易い。
(2020/09/16執筆)
【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】
(出所)中部経済新聞2020年09月21日「私の相場観」
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2020/09/18
13:20
【Bコミ×小菅努×御堂唯也】各界のプロ同士が語り合う!2020年の相場の行方
カテゴリ
commodity
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commodity_analyst
【Bコミ×小菅努×御堂唯也】各界のプロ同士が語り合う!2020年の相場の行方【さくらインベスト座談会】に出演しました。
2020/09/17
08:59
「北浜投資塾」原油相場の見方を解説
カテゴリ
oil
video
commodity_analyst
大阪取引所の「
北浜投資塾
」で、原油相場の見方を解説しました。
約10分の動画が全7本になります。
※下の画像をクリックすると「
北浜投資塾
」の該当ページに飛びます。
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プロフィール
小菅 努(こすげ つとむ)
1976年千葉県松戸市生まれ。筑波大学卒。商品先物・FX会社の営業本部、ニューヨーク事務所、調査部門責任者等を経て、現在はマーケットエッジ(株)代表取締役。商品アナリスト。貴金属、金属、エネルギー、ゴム、農産物などの商品先物市場全般が主なカバー対象です。商社、事業法人、金融機関向けに分析レポートを配信しています。為替、株価指数などもカバーしています。
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