小菅努の商品アナリスト日記

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やはり分かっていないトルコ中央銀行


トルコ中央銀行は25日、政策金利である1週間物レポレートTRINT=ECIを24.00%に据え置いた。据え置きは予想通り。また将来の引き締めに関する文言を撤回し、ハト派姿勢に転換した。

中銀は声明では「物価に影響を及ぼす諸要因を注視しつつ、目標に沿った物価の維持に向け金融政策スタンスを決定する」と表明。同時に従来の「必要に応じて一段の金融引き締めを実施する」との文言を削除した。

出典:Reuters

トルコ中央銀行は4月25日の会合で、声明文から「必要に応じて一段の金融引き締めを実施する」との文言を削除しました。これは政策調整の方向性が利上げであるとのフォワードガイダンスの修正を意味し、次の政策変更が利上げではなく利下げの可能性を高めることになります。

一応は、昨10月時点で25.24%に達していたインフレ率が今年に入ってから20%を割り込んでいるため、インフレ抑制のための利上げの必要性が薄れている結果とも言えます。しかし、直近で19.71%のインフレ率、しかも原油高、通貨安が加速する中で、マーケットはこうしたフォワードガイダンス修正に明確な拒否反応を示しています。

このような政策調整はインフレ率が一けた台まで低下した後で議論しても遅くはないはずですが、トルコ中央銀行は利下げをしたくて仕方ないようです。明らかな政策のミス判断であり、誰もがトルコ売りを加速させると分かる政策調整を行ってしまう点に、現在のトルコ金融政策の問題の根深さが示されています。トルコリラは投資対象として不適格でしょう。


無題



















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BOJがフォワードガイダンス修正、動かないリスクか?

日本銀行は、海外経済の動向や消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、少なくとも 2020 年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。

日本銀行は4月25日の金融政策会合において、上記のようにフォワード・ガイダンスの修正を行いました。従来は政策金利の引き上げを「当面の間」行わないとしていましたが、それを「少なくとも2020年春頃まで」と明確化した格好です。

期限を切ったという意味ではタカ派とも言えますが、あくまでもこれは最低ラインであり、インフレ環境の改善がなければ、欧州中央銀行(ECB)などと同様に更に先送りされることになるでしょう。あまり大きな意味がないフォワードガイダンスとも言えますが、世界的に低金利環境の長期化圧力が強まる中、現在の世界の金融政策環境では動かないことが通貨高(=円高)を招きかねない状況にあります。緩和姿勢の強化を打ち出す必要性が高まる中、無難なカードを切ったということでしょう。

インフレ率引き上げがうまくいっていないことが再確認できると同時に、日本銀行が円高リスクを強く警戒していることが窺えます。


無題












(出所)日本銀行(PDF

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メキシコペソと他高金利通貨との違い

メキシコペソと他高金利通貨との違い

メキシコ中央銀行は12月20日の政策決定会合において、政策金利を0.25%引き上げ、8.25%としました。12月1日に就任したロペスオブラドール新大統領の経済政策による先行き不透明感に対して、いち早く対応を示した格好になります。

新興国と言えば、トルコを筆頭に高インフレ環境でも経済成長を重視して利上げを躊躇する傾向が強いものですが、メキシコ中銀は他の新興国中銀とは明らかに異なる政策スタンスを採用しています。同一視していると、メキシコペソの持つ実力を見誤ります。

メキシコ中銀は、多少の経済成長の下振れを容認してでも、通貨価値のコントロールを重視するスタンスを採用しており、インフレ抑制のためであれば躊躇なく利上げに踏み切ります。これは、新興国通貨・高金利通貨としては、他新興国にはみられない大きなメリットになります。どうしても、新興国通貨や高金利通貨とひとまとめにされがちですが、インフレによる通貨価値の棄損が大きな問題となっているトルコや南アフリカとは同一視すべきではない通貨です。

逆に他新興国のような急激な経済成長は見込まれていませんが、近年の傾向としては米国に対して5~6%前後のプレミアムを加算した金利環境を維持することで、海外投資家の資金をメキシコに還流させるシステムを構築しています。8月に新興国通貨が軒並み値崩れを起こした局面でもペソは底固さを維持したことは、金融政策が有効に機能していることを示しています。

2018年は年初の対円レートを100とすると、12月24日時点で南アフリカランドが83.1、トルコリラが70.2まで下落したのに対して、メキシコペソは97.0と、ほぼ年初の相場水準を維持しています。ドルの98.0はアンダーパフォームしましたが、1)米国の4度にわたる利上げ、2)原油相場の急落、3)第4四半期のリスクオフ環境、5)ロペスオブラドール新政権の不透明感とネガティブ材料が重なる中で、安定した通貨環境を実現したことは、メキシコ中央銀行の通貨管理能力の強さを明確に物語っています。

メキシコのインフレ率も5%前後と決して低くなく、中銀も一時的との比較ではインフレ環境が安定化しているものの、まだ高過ぎるとの評価を下しています。しかし、実質金利がマイナス化するような利上げ対応の遅れはみられず、高金利通貨のメリットを享受する投資スタイルであれば、メキシコペソにはトルコリラや南アフリカランドにはない大きなメリットがあります。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

(出所)「大起ニュース」2019年1月7日

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プロフィール
小菅 努(こすげ つとむ)

1976年千葉県松戸市生まれ。筑波大学卒。商品先物・FX会社の営業本部、ニューヨーク事務所、調査部門責任者等を経て、現在はマーケットエッジ(株)代表取締役。商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物)。貴金属、金属、エネルギー、ゴム、農産物などの商品先物市場全般が主なカバー対象です。商社、事業法人、金融機関向けに分析レポートを配信しています。為替、株価指数などもカバーしています。

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