4月のコモディティ市場では、米国の対露経済制裁に伴うロシアからの資源供給リスクが大きな相場テーマになっています。4月6日に、米財務省は2016年の米大統領選にロシアが介入したとして、ロシアの個人・団体に対する経済制裁に踏み切っていますが、その中にはアルミ大手のRusalとその株主であるOleg Deripaska氏が含まれていたことで、ロシア産非鉄金属の取引が事実上できない状況に陥ったためです。

このRusalはNorilisk Nickelの株式を27.8%保有していることで、アルミのみならずニッケル、パラジウム、プラチナと供給不安は広がりを見せていました。ロシアからの代替供給を確保できるのか、一気に不確実性が高まった結果です。米金融大手Goldman Sachsが、経済制裁前は1トン=2,000ドル前後だったアルミ価格について、3,000ドル到達の可能性を指摘したことなどがシンボリックです。

Bloomberg=Goldman Sachs Warns Rusal Shock May Drive Aluminum to $3,000


ただ、さすがにこの混乱状況は問題があると判断した模様であり、米財務省は4月24日にこの制裁を10月23日まで延期すると発表しました。どうやらここまでで非鉄金属などの供給不安が高まるとは見ていなかった模様であり、場当たり的な制裁だったことが窺えます。

Reuters=U.S. extends deadline for Rusal sanctions, aluminum prices dive

この米財務省の発表を受けてロンドン非鉄金属相場は、アルミが7.0%安、ニッケルが3.8%安など、軒並み値崩れを起こしています。先週の19~20日の段階でも非鉄金属相場は調整売りが膨らんでいましたが、この辺の情報が漏れていたのでしょうかと若干の疑問も生じます。

貴金属市場では、プラチナが9.80ドル安の920.00ドル、パラジウムが50.65ドル安の979.55など、PGM相場も大きなダメージを受けています。プラチナに関しては大きな供給プレミアムを織り込んでいた訳ではないためにショックが限定されていますが、パラジウム相場は4月6日の890.85ドルから19日の1,047.75ドルまで急伸していた反動もあって、さすがにダメージが大きかったようです。ネガティブ材料というよりも、上昇ストーリーの一つが失われたとの評価になります。

【NYMEXパラジウム先物相場】
無題

















(出所)Reuters

ちなみに日本経済新聞は下記のような記事を本日付けで配信しています。

日本経済新聞=パラジウム高騰、米ロ対立が新たな触媒に

ペーパーメディアの限界とも言えますが、「日経に載ったら、おしまい」の相場格言が証明されてしまいました。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

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