アメリカ政府は昨年11月5日に対イラン経済制裁を発動しましたが、その際は余りに原油市場に対する影響が大きいとして180日間の例外認定を日本や韓国など一部の国に対して行いました。この180日の期限は5月に訪れることになり、トランプ政権は難しい判断を迫られることになります。

2020年の大統領選に向けて対イランの強硬姿勢を打ち出そうと思えば、例外認定の延長を行わず、一気にイラン産原油に対する締め付けを強化すれば良いだけです。実際に3月時点ではこの方向性で調整が進んでいましたが、ベネズエラに対しても正解を強化する必要性が高まり、しかも、リビアでも供給不安が高まる中、対イラン制裁の強化は原油需給・価格に対して必要以上に大きなインパクトを与えかねない状況になっています。このため、原油高による景気減速リスクを警戒するトランプ大統領としては、どのような判断を下すべきなのか、ジレンマに陥っていることでしょう。

NYMEX原油先物が期近限月にプレミアムを加算しているのは、将来的な供給不足リスクに対する警戒感を反映しています。例外認定の延長の有無を判断するために残された検討期間は2週間だけです。ちょうど日本はゴールデン・ウィークを迎えるタイミングですが、イラン産原油の行方が決まる重要な時間帯になります。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

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