米中間選挙後のNYダウを考える

11月6日(火)、米国では中間選挙が行われます。100議席ある上院の議席の約三分の一に当たる35議席、435議席ある下院の全ての議席が改選対象になります。今回はトランプ政権が誕生してから2年間の実績、そして大統領を支える与党(共和党)に国民がどのような評価を下すのかが問われます。
10月の米国株は特に目立った材料がない中で突然に急落地合を形成し、マーケットでは1)米金利上昇、2)イタリア財政問題、3)ブレグジット交渉の難航、4)サウジの反政府記者殺害、5)企業業績のピークアウト懸念などの様々な要因が指摘されていますが、「中間選挙を巡る不確実性」も投資家のリスク選好性を後退させたことは間違いないでしょう。

今回の中間選挙については、上院は多数を占める共和党の改選対象議席が少ないため、共和党の過半数獲得がほぼ確実視されています。一方で、下院は当初は民主党が有利と言われていましたが、選挙戦の終盤に共和党が強力な追い上げを見せており、民主党と共和党のどちらが過半数を獲得するのか五分五分に近い確率になっています。

米国株への影響を考えると、上下両院で共和党が過半数を獲得する展開が理想的です。トランプ政権の政策には批判の声もありますが、強力なリーダーシップで経済政策を展開できる政治環境は、米経済成長を下支えすることになるでしょう。

一方、仮に下院で民主党が過半数を獲得した場合には、米国株に対してはリスク要因になります。下院がトランプ政権の打ち出す政策に徹底的に反発すれば、「決められない政治」に戻ってしまう可能性が高まるためです。特に債務上限や予算案といった重要政策で大統領と議会が対立し、下院民主党が政策論争ではなくトランプ政権のスキャンダル追及に本腰を入れ、大統領弾劾を目指すような動きをみせると、政治リスクが改めてマーケット環境を不安定化させる可能性もあります。

しかし、一般的に大統領一期目の中間選挙では、共和党の大統領の場合は民主党が有利、逆に民主党の大統領の場合は共和党が有利になるものです。例えば1994年のクリントン政権、2010年のオバマ政権の中間選挙では、いずれも議会勢力が逆転現象を見せています。そして、過去の米国株はこうした大統領と議会のねじれに伴う「決められない政治」を無難に乗り切ってきた実績があります。もともと、米経済は今年をピークに来年以降は成長ペースを鈍化させる見通しになっていますが、中間選挙の結果を受けて現在進行中の利上げサイクルが消化できなくなるような成長鈍化に陥らなければ、中間選挙がどのような結果になったとしても、先行きを悲観視する必要性はないでしょう。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

(出所)「大起ニュース」2018年11月5日

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