Reutersは、トランプ米大統領が中東版NATOの設立に動いていると報じました。トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)に対しては、加盟国の防衛支出増加を迫るなど強硬姿勢を見せていますが、その一方で中東では「ペルシャ湾岸カ6国およびエジプト、ヨルダンとの間で新たな安全保障・政治同盟の構築を密かに進めている」と報じられています。

「中東戦略同盟(MESA=the Middle East Strategic Alliance)」が仮称になっていますが、事実上はイスラム教スンニ派の結束を強め、シーア派のイランに対抗するための組織と言えます。

対イラン経済制裁の強化、更には中東における米国武器販売戦略などにも絡みそうです。米国営放送VOAは、この背後にイスラエルのネタニヤフ首相の存在があると報じています。イスラエルは安全保障上の観点からエジプトやサウジアラビアなどとの間で関係改善を進めていますが、中東に「スンニ派vsシーア派」の分断を意味する軍事同盟を作ることで、イランの脅威からの安全保障をより強固なものにする狙いがあるようです。対外宣伝機関でもあるVOAが、この件についてイスラエルの存在を(ヒマラヤ登山の案内役・荷物運搬役である)「シェルパ」と評していることからは、もはやその存在を隠す必要はないと考えているのでしょう。

VOA NEWS=Meet Trump’s Envoy-at-Large: Benjamin Netanyahu

これによって直ちに中東情勢が不安定化する訳ではありませんが、イスラエル(ネタニヤフ首相)=米国(トランプ大統領)のラインでイランを経済的にのみならず、軍事的、政治的にも封じ込めようとする政策は、地域の緊張を高めることになるでしょう。追い込まれたイランの暴走リスクが高まります。また、イスラエル、イラン、サウジアラビアなどと友好関係を構築し、中東での主導的役割を果たし始めたロシアの動向も気にかかる所です。
ダウンロード








【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

******************************************

マーケットエッジ(株)では、コモディティ市場と金融市場のレポート配信の他、講演のご依頼も承っています。まずはご相談下さい。

【お問合せ先】
マーケットエッジ株式会社 https://www.marketedge.co.jp/
E-mail  kosuge.tsutomu@outlook.com