国際エネルギー機関(IEA)は7月12日に公表した7月月報において、生産余力の限界を指摘しました。
Some of these supply issues are likely to be resolved, but the large number of disruptions reminds us of the pressure on global oil supply. This will become an even bigger issue as rising production from Middle East Gulf countries and Russia, welcome though it is, comes at the expense of the world's spare capacity cushion, which might be stretched to the limit. 
供給障害が発生する中で中東産油国やロシアが増産を行っていることを歓迎するとする一方、こうした増産は生産余力を犠牲にしたものであるとして、既に生産余力が「限界まで伸びきった(might be stretched to the limit)」可能性が指摘されています。

供給不足のリスクがあるのであれば増産すれば良いのは当然ですが、増産のためには投資を行って生産能力を向上していくことが求められます。もっと言えば、現在の生産水準を維持するためだけでも、自然減を相殺するだけの投資が必要です。しかし、2014年の原油相場急落以降、産油国は必ずしも積極的な投資を行っておらず、それは2017年、今年に入っても大きな変化は見られません。さすがに投資規模はプラスに転換していますが、十分な投資を行ってこなかったツケを払う時を迎えているようです。

イランやリビア、ベネズエラなどの生産トラブルがなければ、それでも直ちに生産能力不足が問題視されることはなかったはずですが、現実には大小様々な供給障害が発生し続けており、IEAはこうした状況が続くとしています。原油価格高騰でも新たな供給は確認できず、目先の問題解決策としては短期供給が可能なタイトオイルの増産を促すこと位しかなさそうです。当限だけの急伸ではなく、期中から期先ゾーンの値上がりが求められます。

【上流部門の投資金額】
upstream














(出所)IEA

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

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