ノルウェーの北海油田の海上石油・ガスリグにおいて、7月10日に約670人の労働者がストライキを起こしました。同地区で操業を行うロイヤル・ダッチ・シェルはKnarrフィールドを一時閉鎖するとしています。日量2万3,900バレルの生産能力がありますが、このまま賃金交渉が難航した場合には15日からストライキに参加する労働者が増える見通しになっていることで、一旦は操業を止めて様子見に転じている模様です。

現時点では供給に障害出ている訳ではなく、数日程度であれば在庫調整での対応が可能とみられています。同地区で操業を行うエクイノールは、一部で掘削作業が中断したものの、生産に影響はないとしています。

Knarrフィールドは深海油田であり、海底までは約400mの深度になります。油井までは4,081mです。2011年6月にノルウェー政府によって開発計画が承認され、15年3月初めて出荷が行われ、5,500万バレルのリザーブが推計されています。海上タンク(FPSO)から主に欧州のイギリス、オランダ、ドイツなどに出荷されています。

最大で日量2万3,900バレル程度であれば、平時であれば無視することも可能です。しかし、足元ではマクロな需給タイト化リスクに加えて、カナダ、リビア、ベネズエラなど世界各地で供給障害を抱えている最中であり、この種の僅かな供給「リスク」にさえ、マーケットは敏感に反応してしまいます。逆説的ながら、マーケットの供給環境に対する警戒感の強さが確認できるイベントになっています。

【Knarrフィールドの位置】
無題































(画像出所)EIAよりマーケットエッジ加工

ノルウェーの労働組合は条件闘争に積極的であり、毎年のように賃金交渉などでストを行っています。その意味では何ら珍しい動きではありませんが、供給不安が原油価格を押し上げ、市況環境の改善で労働組合が賃上げ交渉に自信を強めて強硬姿勢を打ち出すと、更に供給不安が高まる循環トレンドが形成される可能性が高まります。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

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