トランプ米大統領のTwitterがマーケットにストレスをもたらす時間帯が続いていますが、4月20日には原油市場にも「爆弾」が投げられました。



翻訳すると「またOPECのようだ。海上に石油が満載された船舶があるなど、記録的な量の石油があちこちにある。石油価格は人為的に極めて高い!良くないし受け入れることはできない。」となります。

中間選挙が近づく中であえて石油業界に喧嘩を売るような発言であり、過去の石油産業を支援するとの発言とやや整合性が取れないものですが、世界最大の石油消費国であるアメリカ大統領の発言とあって、マーケットも無視できませんでした。19日終値が1バレル=68.33ドルだったのに対して、一時は67.49ドルまで0.84ドルの急落となりました。

トランプ大統領のロジックとしては、石油需給は供給過剰であり、それにもかかわらず石油輸出国機構(OPEC)が意図的に原油価格を押し上げているとなります。その先はコメントされていませんが、米経済に対するネガティブな影響を警戒したものでしょう。こうした石油需給に関する大統領の分析が正しいのかは微妙なところですが、マーケットが警戒したのはトランプ大統領の横やりで協調減産政策の「出口」が早まる可能性です。

6月のOPEC総会に向けて、主要産油国は年内の減産継続、更には2019年以降も政策調整を継続する方向性で調整を進めていますが、トランプ大統領がこの流れに介入して、今後の供給見通しが大きく変わるリスクが警戒されました。

OPECのバルキンド事務局長は慌てて、「価格は目標としていない」として、石油産業を救ったと協調減産の意義を表明しています。米国の成長に関心を持っているとして、大統領の発言に一定の配慮を見せながらも、直ちに政策修正を行うような状況にはありません。

ただ、もしトランプ大統領の今回のTwitterでの意見表明が一時的な気まぐれではない場合には、同様の原油高に対する批判が繰り返され、産油国側の出口戦略の時間軸が縮まり、政策支援効果が薄れるシナリオは想定しておく必要がありそうです。原油市場に新たな不確実性が持ち込まれたのは間違いないでしょう。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】


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