小菅努の商品アナリスト日記

金、プラチナ、原油、天然ゴム、穀物、農産物などのコモディティ市場をメインに、為替、株価指数などもカバーしています。

金融機関、商社、事業法人、ベンダー様向けにマーケット分析情報の配信業務を行っています。コモディティ市場のレポート配信サービス(法人向け)、寄稿・講演のご依頼などは、下記E-Mailまでお問合せ下さい。

マーケットエッジ株式会社 https://www.marketedge.co.jp/
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(イベント告知)コモディティ・フェスティバル2018

東京商品取引所、大阪堂島商品取引所、日本商品先物振興協会が主催するイベントです。

大阪会場で「貴金属・穀物・原油 ~シーズナルアノマリーで相場を読む」を担当致します。コモディティ相場の季節性によるエッジについて、投資家のお役に立てる話をする予定です(これから必死に準備ですが…)。

◆2018/09/08(土)12:40~16:30 大阪
コモディティ・フェスティバル2018

宜しければ、リンク先よりお申込みの上で、ご来場ください。

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【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

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6月の金ETF売りは2017年7月以来で最大でした

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、6月の金上場投資信託(ETF)は49.3トンの純減になりました。4月が71.2トン増、5月が14.0トン増と金ETF買いの流れが続いていましたが、6月にはその流れが一変したことが確認できます。今年は2月にも6.7トン減となっていましたが、月間ベースでは2回目の純減です。49.3トン減は、2017年7月の67.9トン減に次ぐ規模です。この17年7月はフランス大統領選のリスクプレミアムが剥落したタイミングになりますが、それに次ぐ規模の資金流出が発生しています。
無題
















地域別だと、北米が売り込んでいます。北米は5月も29.6トン減となっていましたが、5月は欧州が25.6トン増になったことで、世界全体としては残高減少は回避されていました。しかし、6月は北米が44.4トン減、欧州が0.5トン増であり、米通商リスクが高まる中で米系投資家が金からドルに対する資金シフトを進めたのは明らかです。

1~6月期だと63.0トン増ですが、米系投資家の金ETF売りが6月の金相場圧迫の一因になりました。この流れが変わるのかが、7月の金相場の反発力を決定づけることになりそうです。

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ホルムズ海峡、封鎖しますか?

ホルムズ海峡(The Strait of Hormuz)がふたたびきな臭くなってきました。イラン革命防衛隊幹部は7月5日、「イランの原油輸出が阻害されるのであれば、ホルムズ海峡を石油が通過することを認めない」として、事実上の封鎖リスクを指摘しています。


米政府は11月までに各国に対してイラン産原油の取引停止を求めていますが、イラン産原油の国際市場へのアクセスが阻害されるのであれば、ホルムズ海峡を封鎖してペルシア湾岸諸国からの原油輸出全体にブレーキを掛けるとの警告です。

トランプ米大統領が原油高に神経を尖らせる中(参考:今すぐ価格を下げろ!、トランプ大統領の警告が無意味な理由)、原油価格を刺激するような動きが有効な対米政策になると受け止めていることが確認できます。

このホルムズ海峡は北側がイラン、南側がオマーンに挟まれた海峡であり、最も狭い部分で33kmしかありません。一方で、日量1,850万バレル(2016年)の石油タンカーがこの海峡を通過しているため、世界の20%の原油供給はこのホルムズ海峡を通過して世界に出荷されています。マラッカ海峡を上回る、世界最大の原油輸送の要所になっています。

【世界の海上原油輸送量】
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(出所)EIA

【ホルムズ海峡の位置】
hormuz_map














(出所)EIA

このため、イランにとっては世界の石油供給の人質を取った格好になり、実際に湾岸戦争時には機雷を敷設して海峡を封鎖した経験もあります。イラン核開発問題で米欧とイランとが激しく対立した際にもこのホルムズ海峡封鎖の可能性が浮上しましたが、結果的には封鎖は行われませんでした。

さすがにホルムズ海峡封鎖は世界を敵に回しかねず、安易に切ることができるカードではありません。その意味で、実際にホルムズ海峡封鎖を現実の脅威と捉える必要性はありませんが、この「ホルムズ海峡封鎖」のワードが出てくると、マーケットはどうしても無視できない程度のインパクトは有しています。「オオカミ少年」になるような頻繁な警告を行っているとマーケットも本気にはしませんが、米国=イランの緊張が高まった局面で突然に「ホルムズ海峡封鎖」に言及があると緊張感が高まります。

なお、米海軍はイランがホルムズ海峡を封鎖した際には、「米海軍は国際法の下で航海の自由と通商の自由な流れの確保を確実にするために用意を整えている」として、南シナ海などで展開されている航行の自由作戦をホルムズ海峡でも行う方針を示しています。

Reuters=米海軍、イランがホルムズ海峡封鎖なら航海の自由確保の用意=報道官

こうしたホルムズ海峡封鎖リスクに備えるため、サウジアラビアやUEAなどはホルムズ海峡を迂回するパイプライン敷設を行っていますが、2016年のデータでは送油能力が日量660万バレル、実際の送油量は270万バレルとなっています。現状では、封鎖リスクを緩和する程度の規模に留まっています。

【ホルムズ海峡迂回用のパイプライン】
無題







(出所)EIA

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プロフィール
小菅 努(こすげ つとむ)

1976年千葉県松戸市生まれ。筑波大学卒。商品先物・FX会社の営業本部、ニューヨーク事務所、調査部門責任者等を経て、現在はマーケットエッジ(株)代表取締役。商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物)。貴金属、金属、エネルギー、ゴム、農産物などの商品先物市場全般が主なカバー対象です。商社、事業法人、金融機関向けに分析レポートを配信しています。為替、株価指数などもカバーしています。

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