小菅努の商品アナリスト日記

金、プラチナ、原油、天然ゴム、穀物、農産物などのコモディティ市場をメインに、為替、株価指数などもカバーしています。

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ゴールドマン・サックスは、イランインパクトは限定的との見方


Goldman Sachs expects the United States’ decision to end waivers from sanctions on imports of Iranian oil to have a limited impact on prices, even though the timing of the halt is much more sudden than expected.

“While we acknowledge the near-term upside price risks, we reiterate our fundamentally derived Brent price trading range of $70-75 per barrel for the second quarter of 2019,” the bank wrote in a note on Monday.


The U.S. investment bank sees Iranian production declining by 900,000 barrels per day (bpd) compared to the immediately available global spare capacity of 2 million bpd, which is set to grow further later this year.

出典:Reuters

米政府の対イラン制裁強化で原油相場が急伸していますが、ゴールドマン・サックスは限定されたインパクトに留まるとの見通しを示しました。イラン産原油が日量90万バレル減少するとの厳しい前提を採用していますが、世界には日量200万バレルの増産余力があり、今後は更にその増産余力が拡大するため、対応は可能とのロジックです。

これが石油市場の一般的な見方ですが、問題はこの増産余力がいつ実際の増産圧力に転換するのかですね。OPEC内では本当にイラン産原油の供給が落ち込み、OPECの他加盟国の需要引き上げにつながるのかを見極めたいとの慎重な意見も報告されています。対応は可能ですが、適切な時期に適切な規模の対応を行うのかという問題は残ります。

【マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅努】

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中国の豚コレラ被害拡散、豚の1/3喪失か?


As millions of pigs disappear in China, the rest of the world is beginning to notice.

The country’s pig population, the largest in the world, is likely to shrink by almost a third, losing 130m animals as African swine fever ravages the country’s farms.

The outbreak will reshape protein markets across the globe, driving up meat prices as China, the
leading consumer and producer of pork, braces for years of shortages and disruptions to its food
supply.

“This has been a game-changer,” says Jais Valeur, group chief executive at Danish Crown,
Europe’s leading pork processor. “We’re only starting to see the real impact of African swine
fever.” 


Financial Timesが、中国の豚コレラ被害の広がりを報告しています。全畜頭数の3分の1に当たる1億3,000万頭が失われているとの試算です。中国当局は昨年8月に発生した豚コレラの収束を宣言していますが、既に畜頭数は前年同期比で20%近い落ち込みになっています。

中国は豚肉輸入の拡大に迫られる一方、飼料穀物を輸入する必要性は一気に低下します。大豆やトウモロコシ相場に対してはネガティブです。また、食品インフレが発生すれば、景気対策で金融政策の緩和スタンスを採用することは難しくなるでしょう。インフレ懸念から金需要が拡大する可能性もあります。まだ脆弱な実体経済環境において、可処分所得の実質的な現象は個人消費の落ち込みに直結する可能性もあります。様々な波及経路を考えておく必要があるテーマです。

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(画像出所)CME

上はCMEの豚肉相場です。チェックしていませんでしたが、3月から既に急騰していますね。米国内で豚肉生産が拡大すれば、飼料需要が中国から米国内にシフトするだけに留まりますが、豚肉輸入コストを下げるのであれば、通商合意を急ぐ必要もありそうです。

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対イラン制裁強化とローガン法違反の脅し

トランプ米大統領が、Twitterで3月28日以来、約1カ月ぶりに原油について言及しました。


「サウジアラビアと他のOPEC加盟国は、我々のイラン産原油に対する完全な制裁によって生じる以上の石油供給を行うだろう。イランはジョン・ケリーから非常に悪いアドバイスを受けており、アメリカのイラン核合意は非常に悪い方向に進んでいる。ローガン法の重大な違反?」となる。

第一のポイントは、4月22日に発表したイラン産原油に対する完全な制裁でイラン産原油の供給が減る分については、OPECがカバーできるとの見通しです。具体的に名前があがっているのはサウジアラビアですが、事前の調整が行われていた可能性が高いことが示されています。

第二のポイントは、ジョン・ケリー元国務長官に対する批判です。ケリー元長官はイラン核合意をオバマ政権時代のレガシーとして重視しており、退任後もイラン高官との接触を行っていることを認めています。トランプ政権は、政権の対イラン政策を台無しにしていると強く批判していますが、ローガン法違反の可能性を警告したかっこうです。

ローガン法とは、米国と対立関係のある国と政府の許可がない個人が交渉することを禁止するものですが、ケリー元長官のイランとの接触がローガン法違反の可能性があるという訳です。「?」を付けているものの、かなり厳しい批判になります。

イランに対する制裁強化の文脈で、1)OPECの代替供給と並んで2)ケリー元長官批判を行ったことからは、トランプ大統領が今回の対イラン制裁に本気で取り組む意思を有していることを明確に示しているのではないでしょうか?

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プロフィール
小菅 努(こすげ つとむ)

1976年千葉県松戸市生まれ。筑波大学卒。商品先物・FX会社の営業本部、ニューヨーク事務所、調査部門責任者等を経て、現在はマーケットエッジ(株)代表取締役。商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物)。貴金属、金属、エネルギー、ゴム、農産物などの商品先物市場全般が主なカバー対象です。商社、事業法人、金融機関向けに分析レポートを配信しています。為替、株価指数などもカバーしています。

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